2020年07月10日

読書記 08

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で、読書記である。


すっかり外国ミステリーばっかり読んでいたが、そればかりだとやっぱりいかんなと思い、昨年にハマった黒川さんと西村さんの未読のを借りてきた。


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黒川博行著「後妻業」


これは映画にもなったので知ってる人は多いだろう。内容は言うまでもなく素晴らしく、黒川文章はこうでなきゃという感じであっという間に読了。この人は完全なハッピーエンドということがないので好きだ。映画とかでも後味の悪い方が良いんですよ。「セブン」とか最高でしたね。

とはいえこの表紙はどうしたものか・・・。黒川さんの本はだいたいが奥様の絵を使われていて、それもまた黒川作品の魅力の一つなのに、この表紙はどうしたものかぇ・・・。


小説がこれだけ面白ければ映画もさぞ面白いのだろうと思うパーセンテージと、映画の方はどうせ見れたもんでもなかろうという思うパーセンテージは比べるまでもなく後者の方が大きい。逆に映画見てから原作小説読んだ方が面白いということは多い。登場人物が設定されている点で読みやすいのだろうね。でも小説から入ると、ぼんやりとした人物像が映画だと具体的な役者になるわけだが、それはどうも辛いことの方が多いな。だからこの映画は観ないだろうし、黒川さんの他の原作映画も観る気はない。やはりこの人の文体とセリフのスピード感は役者のそれでは消化不良になるだろうね。




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西村賢太著「瓦礫の死角」

私小説とはいえこの人は読みやすく面白い。が、近作ということで、これまでの著作の積み重なりが意識されていて、無論それは著者の意向によるのだろうが、それが少々くどくもある。この人の作品の特筆する点は、北町貫多(西村賢太)という主人公の人生が時系列を前後しつつ描かれているということであり、しかもそれを生まれてから現在へという時系列に沿って書かれているわけでもなければ、その通りに読む必要もないということだ。シリーズ物は最初から読まねば登場人物や設定に「?」を抱きつつ読むストレスがあるが、それが一切ないのが魅力だったが、今作ではその辺りが多少軸がブレたのか、作品が増えた故に整理せねば読者に混乱が生じると察して配慮したのか、文中に(「作品名」参照)という書き込みが数箇所あったのが気になった。西村作品のファンとしてはそんなもの不要だと言いたい。


あとこの人の魅力は北野武映画のような清々しい暴力と、狂気とユーモアの絶妙なバランスにあると思っているが、その点も少々物足りない気はした。

母親との束の間の同居時の話があるが、どこで母親に暴力を振るうのかと心配と同時に楽しみにしつつ読み進めていったが、結局は出所してくる父親の影にひたすら怯えてそこを後にするというだけで、やはり西村さんのそれまでに構築した関係性を暴力と罵詈雑言でしっかりと徹底的にぶち壊してそこから逃避するという性が好きなので、今作はあまりなくて少々がっかりしたが、そればっかりになっても仕方ないのも理解している。




そして今はまた外国ミステリーを読んでます。




posted by さだおか at 12:40| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年06月30日

読書記07 読書欲の再起

タイトルにもあるように、コロナ中にすっかり失せた読書したいという欲望の再起の予感であります。


でもやっぱり図書館が閉まっていたというのが大きいわけです。あとCD制作で頭も心もパッツンパッツンでしたからね。もうそうの反動で今何もする気になりません。SEMODAIのCDのパッキングしなきゃならないのにそれすらもやる気にならない!何だかんだと言い訳を見つけては、結局youtubeばっかり見ている!あと最近映画欲も出てきてるから、そのおかげで練習する気にもなってて以下の順になっている。


SEMODAI<Amazonプライムで映画見ながら練習<youtube見ながら呆ける<寝起き後三時間くらい読書したり漫画読んだりyoutube流してごろごろ


という順番である。



怠惰!堕落!茫然!の末に自失!



不甲斐ねぇぜ!CD買ってくださいね!在庫なくなりゃ作るしかなくなんだからネ!




おっと読書記であった。ミステリー再燃。しかも海外のミステリーの古典を読み漁っている。


エラリー・クイーン「エジプト十字架の謎」
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写真を撮る前に返却してしまったが、同時に同じくエラリー・クイーンの「Xの悲劇」とジョン・ディクスン・カーの「火刑法定」を読んだ。「X
の悲劇」は読了する前に返却せざるをえず、また借りるつもりだ。「火刑法定」は最終章を少し適当に流し読みしすぎたと反省したが、悲しいかなミステリーは犯人を断定するところで熱が冷めることが多く、これもゴーダン・クロスが死んだあたりでお腹いっぱいになってしまった。


エラリー・クイーンは前に「Yの悲劇」を読んだことがある。それから数ヶ月経ってまた読み始めると、やはりリズムが取れない。Yの時も結局最後まで文章のリズムに乗れずに結構苦しみながら読んだので多少ビビりながら読んだが、この「エジプト〜」は冒頭のつかみが素晴らしいのでスッと入れたが、同時に「Xの〜」も読んでたら、どっちがどっちの主人公で登場人物でと分からなくなってきたので一冊に絞ったのだった。外国の人名に慣れないせいで誰が誰かさっぱりなまま最後まで登場人物一覧を見返しながら読むのが億劫なので、序盤の段階で犯人を告げるだろう辺りをチラッと見て、犯人が誰かは定かではないにしろ「最後までこの人物は出てくるのでしっかり覚えよう」と自分を奮い立たせての読書である。


登場人物一覧を眺めて

スティーヴン・メガラ・・旅行家
ヴェリャ・クロサック・・復讐者
ハラーフト・・・・・・・教祖
ポール・ロメーン・・・・裸体主義者
スウィフト・・・・・・・メガラの航海長

という並びを見るたびに「俺は一体どんな小説を読んでいるのか?」と自問してしまった。確かに読めばハラーフとは教祖だし、ロメーンは裸体主義者だったが・・・。


ネットの検索でエラリー・クイーン読むならこれが上位に来ていたので借りたが、これはいわゆる国名シリーズというようで、エジプトは五作目となるようでやはり一作目をいかねばなるまい。あともう一つの傑作と言われる「ギリシャ棺の謎」も行かねばなるまい。こうして読書迷子となっていくのだろう。


posted by さだおか at 09:21| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年05月13日

読書記06

図書館が6月まで休館なので買わないと読む本もないが、なければ以前読んだのを再読すればいいやと軽く考えていたが、本棚にある漫画以外の文字の本は漱石か宮沢章夫さんか勝新関係のものしかないので、そう容易に読もうという気分にならないのである。語尾に音符なんて絶対出ない。本棚を前にした時にそんな気持ち絶対ならない。慎重にならざるを得ないラインナップである。



ということでかれこれ二ヶ月近く我が家にある神戸市民の財産が八冊。一冊だけ、丸谷才一さん翻訳の「ポー名作集」だけが読みさしである。冒頭の「モルグ街の殺人」で慣れない文体に四苦八苦しながら読むも、次の話を読もうという気が失せて以来開いていない。奇しくも6月までは図書館も閉館ということでそれまでに読めばいいやと考えてそのままなのである。



写真はその前にポーの前に読んだもの。叙述トリックというわけでもないが、誰のセリフかを巧みに隠し、一人のセリフのように読者には思い込ませて実は二人のセリフだったみたいなトリックで、緻密な文章構成力が必要やなぁという感想くらいである。ミステリーは好みで色々と分断する。そう思うと、ホームズなんてものはミステリーとはいえどこまでもエンターテイメントなので古典的名作として未来永劫の作品だろう。この場合のエンターテイメントというのは普遍性と言い換えてもいい。ビートルズとかも時代時代を切って見ると随分と前衛的だが、あくまでも音楽の為なので普遍性というエンターテイメントを獲得しているのに近いか。

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先日「火の鳥」を読んでいるということを書いたが、あれは書いて失敗だった。書いたことで読んだ気になってしまい、あれ以来読んでいない。読みたいという欲はあるが、感動を含めたダメージを考えるとなかなか気が重い。何か活劇が読みたいなと久しぶりに手に取ったのが諸星大二郎著「西遊妖猿伝」だ。


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ちょっと調べたら最新刊の西域変の6巻が出たのが2015年4月でそれ以来・・・。そもそもの連載開始が1983年からで未だに未完で、それもずっと連載してるわけでない。様々な出版社と雑誌を経て、途中で11年も中断の時期があったりしているので、単行本も大きく分けて三種類ある。詳細はwiki先生の方で見て欲しいが、「特に」な点を以下抜粋。
単行本
「西遊妖猿伝」 全9巻 双葉社 アクションコミックス
大唐篇前半(狭義の大唐篇)のみの収録。

「西遊妖猿伝」 全16巻 潮出版社 希望コミックス
広義の大唐篇を収録。双葉社版において無残な最期を遂げたキャラクターに対する救済措置等の大幅な加筆修正が施されている。

「西遊妖猿伝 大唐篇」 全10巻 講談社 KCDX
広義の大唐篇を収録。

「西遊妖猿伝 西域篇」 1〜6巻(2015年4月時点)講談社 モーニングKC




wikiはこちら→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%81%8A%E5%A6%96%E7%8C%BF%E4%BC%9D


「狭義の大唐編」と「広義の大唐編」という表現にしびれる。



僕は最初に双葉社版のから買ったから大変だった。その続きを買おうにも単行本化が潮出版社版に切り替わっていて、もう一度潮出版社版を1巻から買い直すのかという諸星マニアの収集欲を刺激されつつも踏みとどまって、潮出版社版の10巻から買った。その中で狭義の大唐編から河西回廊編になるのでその単行本の四分の一は被っているという切なさがある。が、当然それだけでは終わらずに、その11年後に講談社で西域編を始めると、講談社版の大唐編が出てくるが、もう考えることを辞めれば楽なだけである。だから本棚には双葉社版全巻と中途半端な潮出版社版と講談社版の西域編があるので、こんなもの売ろうとしても売れるわけないなと見るたびに思うのである。


そんなことは置いといても十分面白いのでお釣りが来るので仕方がないのだ。諸星の単行本だと上に書いたように出版社が途中で変わったり、未完のまましばらくしてからまた完全本として一から収録されていたりするので、まさに惚れたが負けな状態なのである。


次巻から西域編だが、これがまた読みにくいったらありゃしない。ソグド人だゾロアスター教だといちいち人から場所から名称が耳馴染みのないものばっかりなので一つも頭に入ってこないのであるが、それも楽しみである。




posted by さだおか at 18:22| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月09日

読書記05 勘違い

今日が金曜日だと思っていて、朝から生田川の少し西のとこにある玉子屋さんに行く気でマンションの階段を降り、自転車を解錠していざ行かん!と漕ぎ出した時に木曜だったと気付いて一気にブルーになった。


その玉子屋さんは卸屋なので普段でもスーパーなんかより数十円安いのだが、金曜日となると1パック十個入りのが90円〜120円(一人2パックまで)で買えるんですよ。それ以外にも店の全商品20円引きだったりと発狂的にお買い得で、二週間に一度はその特売のを2パック買うのが生活リズムなのである。


さらに立てていた予定としては、まずは図書館の返却ポストに投函してから東京行きのバスが運休になったのでそれを三宮のバスセンターで払い戻し、TSUTAYAで落語のCDを借りてその帰り道に玉子を買って帰ろうと思っていたのに・・・。


一日の始まりにこんな勘違いがあったらブルーブルーブルーであるが、先日借りた本が実は以前読んでいたもので、それに気づいたのが一時間以上電車で移動するから今日は読み進めるぞ!と意気込んでいた春日野道駅のホーム上というのもブルー以外の何物でもないのです。


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「ある閉ざされた雪の山荘で 」を借りたかったのではなく、「仮面山荘殺人事件」だったのである!共に東野圭吾著!山荘で惑わされたぜ!


十数ページは気付かんまま読んでたが、登場人物の名前に見覚えがあって思い出したのだ。まぁ僕にとってはこの小説はそれくらいの記憶です。


僕は東野圭吾は好きじゃない。ポップなんだよなぁ。エンタメ性が高すぎて色々と描写とか丁寧すぎて余地なし!って感じで読書の苦しさが味わえないんよなぁ。


で、もう一冊。こっちは勘違いではないが、タイトルから想像していたような文体じゃなくて驚いた。ってどんな文体を想像していたのかっていうと、この著者は初めて読んだが、そもそも名前から勝手に女性だと思ってたんだけど、ハードボイルド小説的文体で戸惑ったのだ。


面白くてズンズン読んだが、ちょっと登場する人物が全部過去にも関わっていたりと、ミステリーやサスペンスにはありがちだけど都合が良すぎるのが多少は気になったが、特に主人公の設定とかが意外だったので面白く読み終えた。んー、でも都合が良すぎだ。


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色々と演奏が中止や延期やとなってしまい、まとまって時間ができたのでミックスを一気にやっていて、勢いついでに二年前に録音したディスコミュもミックスし始めました。先々月にドラマーの松本大くんと飲んだ時に彼が「ディスコミュのCD出たら買いますよ!」と絡むように言ってきたので、たった一人でも気にかけてくれてる人がいるのなら早めに作らんといよいよタイミング逃すなぁと思ってたんですよ。で、RJSQとSEMODAIのライブの方がある程度終わりが見えてきたのでどうせならと思ってやり始めました。本当に全部音盤化したなら今年だけで4、5枚出すことになります。

RJSQは一枚になるが、SEMODAIの方は1セット目と2セット目を分けないと時間的に収まらないので二枚組にするのかどうか悩んでるとこ。ディスコミュはスタジオもライブもごちゃまぜで一枚にするつもりだったけど、多少収録時間が短くても分けた方が良いだろうと今は判断しています。なんとも言えませんが、乞うご期待!ではあります。
posted by さだおか at 10:48| 兵庫 ☀| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月28日

読書記04 ハードボイルド

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横溝から読み進めて、日本人作家も読んでいるが探偵ものといえば海外の、それこそホームズではないか?と苦手だった外国文学作品もミステリーという合言葉を盾に読んでいる。あの翻訳された日本語が苦手で今まで何度も挫折してきたし、村上春樹なんてその文体のせいで大嫌いである。


とりあえずネットの検索で「ミステリー 文学 名作」とかで検索して、誰がどんな作風とか全然わかんないし、とりあえず名作とか歴史的とか付くものは手を出せるだけ出しているが、それでもまだまだ量が多くて全然読めていない。が、ホームズは大変面白く全作読んだ、はずです。


で、次に手を出したのがハードボイルドでした。日本でも新宿鮫が好きだし、黒川さんの作風を省みてもハードボイルドは僕の中で嫌味なく受け入れられると思い、レイモンドチャンドラーの「長いお別れ」から読み始めたのが何よりも良かったと思いますね。フィリップマーロウものでも屈指の出来で、生涯でも忘れられない小説になりました。それからマーロウ物の長編は全部読んで、同作でも翻訳が違うのも読んだりて、じゃ他にホードボイルドは?となって、ダシール・ハメットの「マルタの鷹」を読んだけど、チャンドラーよりもハードボイルドしていて全然読み進められなくて苦しんだ。


この人の他のは?と代表作の一つである「赤い収穫(血の収穫)」を今度は借りて読んだものの、やっぱり読み進めるのが辛い。いや、面白いのだけども、文体かなぁ。なかなか辛かった。


ハードボイルドっていうのは事件そのものが主題なのではなくて、それを軸に様々な人間や出来事がめぐりめぐるということに主題があって、読みながら何度も、そういえば何の事件だったっけ?となることが少なくない。あと登場人物が多い。そして全員に影があったりするから全然覚えられない。読み終えてもミステリーを読み終えたような爽快感は少ないが、一幕終えられたなという主人公が感じている徒労感は同様に感じられるので中毒性は高い。


このブログを書くにあたってウィキペディアを調べると、この作品が黒澤明監督作品の「用心棒」の下敷きになっているそうである。まったく納得できる話だ。
posted by さだおか at 03:06| 兵庫 ☔| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月20日

読書記03 怒涛

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黒川博行の著作を二連発。


内容が内容なだけに、読み始めるまでなかなか腰を上げるのが億劫なのだが、いざ読み始めるとすすすーいと読める。当たり前だよな。


「落英」はシリーズではないので登場人物がなかなか入ってこなかったが中盤は勢いがあったが、終盤はあんまり好みじゃなかったな。ギブミー破滅。


「泥濘」は疫病神シリーズの最新作。福祉モノ。ヤクザのシノギはその時代の最先端をゆく。タピオカも然り。そして政治家も官僚も同じ穴のムジナだよな。


黒川著作はしばらくいいかな。読み飽きたというのではないが、今は横溝って気分なのだ。
posted by さだおか at 00:20| 兵庫 ☀| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月04日

読書ではなく映画だが。

原田眞人監督作品「クライマーズ・ハイ」を昨日見た。


内容等に関してはこの世で一番便利なウィキペディアをご覧くだされ→https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4


僕はアマゾンプライム会員なのだが、昨今のあのサービスは僕の触手が伸びるような映画があまりなくプリプリしている。が、つい先日CDを借りる為に1年ぶりにTSUTAYA会員になったので返却ついでにDVDを借りようと思ったのだ。随分と利用してなかったが、レンタル料金ってこんな高かったっけ!?と震えた。旧作一週間で一枚税抜き280円ですぜ。新作なんて一週間で500円で、新作準新作旧作5枚で1200円ですぜ。もう意地でも5枚借りてやるか!ってなもんです。


原田眞人作品を全て見たわけじゃないが、とかく本筋と別に主人公の家庭や恋愛面を描くことでその人の描写を分厚くしようとするのだが、こちらからすればそれこそ蛇足以外の何物でもない!という脚本を書くと認識していた。浅間山荘事件も日本のいちばん長い日もそれさえなければ面白いのにと見ていてくだらなくてしょうがなかった。


たとえば近年の007を見てたら冒頭もしくはラストのアクションシーンで敵の組織の名もない登場人物がばったばたと殺されていくが、それを見るたびに「この登場人物にも家族がいるんだろうが、どうしてこういう仕事をしてんだろう?」と想像してしまう。そらものすごい人数ですからね、全員が生涯孤独とかってことは恐らくないだろう。そういうことを見てふと妄想するのはいいんだけど、それを話の筋に絡めちゃダメだと思うんですね。でもそれを描くことでこの人は仕事としてこういうことをしているけど、家に帰るとまた別の顔があってみたいなことはわざわざ描くまでのことじゃないと思うんですよ。でも原田さんはそれをやるわけ。クライマーズ・ハイでもやるわけです。


話の本筋は日航機墜落事件を取材する地方新聞社の事件後の怒涛の日々なのだが、冒頭に子供が外国に移住する為に空港で見送るシーンがあり、石を手渡されるんだけど、怒涛の日々の中で時折それを取り出したりしてんだけど、実際はそんなこと考えてる暇も余裕もないだろうからそういうことされると見ていて気分が萎えるんですね。エセヒューマニズムというか安いんだよな。もう一人、安西という山登り仲間もいるが事件と同じタイミングで過労で倒れてどうのこうのなんだけど、それもまったく蛇足に感じるわけ。ドキュメント性の高いものを取り扱うわりにエンターテイメント性を高めてバランスを取ろうとするからそういう風になるんだろうとは分かるんだけど、やっぱり見ていてリズムが崩れて萎えるんですよ。でもそうでもしないと見続けるのが辛い人もいるだろうことは僕だって想像がつくんだけど、だけどもという感じ。


でもカメラの画角やカットでリズムを高める手法は素晴らしいと思うし、映画なんだけど舞台を見ているような気にもなるから面白いんだけど、どうしても脚本に筋とは関係ないものを持ち込む癖が気になってしょうがないのだ。とはいえ見応えあるし、役者陣も精一杯の演技をしていると思います。
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2020年02月24日

貪るように。読書記02

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先週はこの二冊だけでなく、「隠蔽捜査5宰領」のほか、横溝正史の全集の中の読み落としていた金田一物の「女怪」と「鴉」を読んだ。まったく活字中毒者の日々である。


今野敏さんの著作は多少失礼な言い方になるが、サクッと読めるのである。一方の黒川作品に比べ読書の負担がないのでさくさくっと読める。叙述トリックは一切ないので、多少の読み飛ばしも可能なので、読んでいて少しでもダレたら読み飛ばしていく。そんな強引な読み方をしても登場人物が強靭なので物語としての背骨は曲がらない。その点で柔軟な作者だなぁと思っている。





「喧嘩」の方は前回の読書記で書いた「破門」の続編である。実はこれを読む前に三作目となる「暗礁」も読了しているが、日常的忙殺で書き落としていた。

とはいえやはり二作目の「国家」が話の筋としてはベスト、全体的な出来としては五作目の「破門」が脂が乗っていると思う。さすがは直木賞作品。

大阪での仕事となると往復で一時間半以上かかるので、そこで結構な量の読書が出来るので嬉しいが、神戸でとなると2,3分しか電車に乗らないので少し寂しい。
posted by さだおか at 19:40| 兵庫 ☀| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月03日

読書記

順番は前後するが、読書記に関して。


読書記というのを始めてみる。いつまで続くかは定かではないが、読書は死ぬまで続けるだろうからぼちぼちと書いていくつもりだ。


簡単に言えば個人的な読書後の感想を綴るだけである。これを読んだ人が読みたくなるようなことを書こうとも思わないし、オチを書くことだってあるだろう、登場人物の名前も一切の説明なく唐突に出すし、ちゃんとその本を読んだ人にしか分からないようなことも当たり前のように書いていく。無情な読書感想記である。


まぁブログなので日々のアレコレを気負わずに書けばいいのだろうが、人が何食ったとか何処行ったとか僕はピンとこないのでやらんのだが、図書館で常に本を借りているということから考えるに、僕の趣味は読書なのであろうと思ったのである。


そういえば高校生のときも毎週末のように図書館に行っていたが、34歳となった今も二週間に一度は必ず図書館に行っている生活なのだ。春日野道に越してきてからは出掛けるということが極端に減った。休日でも自宅警備を中心に活動しているが、それでも三宮図書館までは行くがそれ以上西にはなかなか行かない。ミント神戸すら行かない。かといって東にはもっと行かない。行って万代春日野道店である。あ、昨夜は西灘の「まるやす」というラーメン屋に行ったか。


まぁそんなことはさておいて、そのとき読み終えた小説を取り上げて書くつもりだ。そのときの僕の気分が出ればそれだけでいいと思っている。レビューですらない読書の日記である。


人にすすめようと書くと雑念が混じる。


人によく思われようと書くと、これまた雑念が混じる。


ま、そういう感じでぼちぼちと書いていきます。
posted by さだおか at 10:40| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

黒川博行著「破門」

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いわゆる「疫病神シリーズ」の五作目。



といっても「疫病神」「国境」と順番に読んだものの、そのとき図書館にあったので借りたはいいが、結果五作目だっただけのこと。まぁこのシリーズは続きものではないからと高をくくっていたら、二宮が小鳥のマリを飼っていたので驚いた。が、読み進めていっても特に問題なく一安心。



全作読んだわけではないが、このシリーズの最高作は「国境」だと思っているが、今日は「破門」である。


途中のカジノでのルールや講釈は必要だったのかと思うが、全体的に登場人物の会話が非常にスムーズでぐいぐい読み進められて良かった。それが黒川さんの作品の最大の特徴だろう。この人の小説の魅力は台詞に一切の違和感がない上に、そこに純然たる人格が見事に描写されているところにある。ま、簡単に言えば、こういう人ならこういう言い回しをするだろうということが間違いなく展開されているということだ。


本当にあっという間に読んでしまい、読了してすぐ図書館に読み飛ばした三作目と四作目を予約した次第である。



とはいえこの人の小説にはまったくのクズしか出てこない。よくもまぁこんなクズばっかりおるなぁと溜息も臭くなりがちではあるが、どのキャラクターも酒の飲み方が潔くて非常に好感が持てる。「仁義なき戦い」を観たときもそうだが、水のようにビールを飲む人ばっかりで、しかもその飲み方が美味しそうでしょうがなく、わざわざ瓶ビールを買ってきて定食屋や中華料理屋で出てくるような小ぶりなビールのコップでキュッとやりたくなるのだ。食欲や性欲といった人間の根源のような欲望を刺激するというのはやはりパワーがなければならないので、その点で黒川さんの小説というのはひときわ魅力的である。


この小説を読んでバランタインのハーフロックを飲みたくなるのは正常な反応だと僕は思うのである。
posted by さだおか at 10:29| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする