2020年07月10日

読書記 08

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で、読書記である。


すっかり外国ミステリーばっかり読んでいたが、そればかりだとやっぱりいかんなと思い、昨年にハマった黒川さんと西村さんの未読のを借りてきた。


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黒川博行著「後妻業」


これは映画にもなったので知ってる人は多いだろう。内容は言うまでもなく素晴らしく、黒川文章はこうでなきゃという感じであっという間に読了。この人は完全なハッピーエンドということがないので好きだ。映画とかでも後味の悪い方が良いんですよ。「セブン」とか最高でしたね。

とはいえこの表紙はどうしたものか・・・。黒川さんの本はだいたいが奥様の絵を使われていて、それもまた黒川作品の魅力の一つなのに、この表紙はどうしたものかぇ・・・。


小説がこれだけ面白ければ映画もさぞ面白いのだろうと思うパーセンテージと、映画の方はどうせ見れたもんでもなかろうという思うパーセンテージは比べるまでもなく後者の方が大きい。逆に映画見てから原作小説読んだ方が面白いということは多い。登場人物が設定されている点で読みやすいのだろうね。でも小説から入ると、ぼんやりとした人物像が映画だと具体的な役者になるわけだが、それはどうも辛いことの方が多いな。だからこの映画は観ないだろうし、黒川さんの他の原作映画も観る気はない。やはりこの人の文体とセリフのスピード感は役者のそれでは消化不良になるだろうね。




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西村賢太著「瓦礫の死角」

私小説とはいえこの人は読みやすく面白い。が、近作ということで、これまでの著作の積み重なりが意識されていて、無論それは著者の意向によるのだろうが、それが少々くどくもある。この人の作品の特筆する点は、北町貫多(西村賢太)という主人公の人生が時系列を前後しつつ描かれているということであり、しかもそれを生まれてから現在へという時系列に沿って書かれているわけでもなければ、その通りに読む必要もないということだ。シリーズ物は最初から読まねば登場人物や設定に「?」を抱きつつ読むストレスがあるが、それが一切ないのが魅力だったが、今作ではその辺りが多少軸がブレたのか、作品が増えた故に整理せねば読者に混乱が生じると察して配慮したのか、文中に(「作品名」参照)という書き込みが数箇所あったのが気になった。西村作品のファンとしてはそんなもの不要だと言いたい。


あとこの人の魅力は北野武映画のような清々しい暴力と、狂気とユーモアの絶妙なバランスにあると思っているが、その点も少々物足りない気はした。

母親との束の間の同居時の話があるが、どこで母親に暴力を振るうのかと心配と同時に楽しみにしつつ読み進めていったが、結局は出所してくる父親の影にひたすら怯えてそこを後にするというだけで、やはり西村さんのそれまでに構築した関係性を暴力と罵詈雑言でしっかりと徹底的にぶち壊してそこから逃避するという性が好きなので、今作はあまりなくて少々がっかりしたが、そればっかりになっても仕方ないのも理解している。




そして今はまた外国ミステリーを読んでます。




posted by さだおか at 12:40| 兵庫 ☁| Comment(0) | 読書記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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