2017年07月10日

葭葉、定岡対談その4

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対談企画第四弾です。



定岡  モチアンのトリオとかバンドってなんであんなにサウンドが浮遊てしてんのに、全員が当たり前のようにテーマをドンって一緒に入れるのかなって不思議で。あれは何なんやろうって。きっとメロディーとか音楽の何か強さを信じて信じ切っていってるんかなって。

葭葉  やっぱりドラマー目線やからそういうとこにたどり着きやすいのかもしれませんね。ピアノやとやっぱりハーモニーばっかり見てしまう部分があって。あんまりメロディーの強さっていう意識よりも、「あ、今のコードなんやろ?」ってそっちの方に行ってしまうんですよね。

定岡  それも大切なんですけどね。でもそれは僕からするとカラーの一つやから、それよりかは誰が何言ってるんかってほうが強いんじゃないかなと。天気が雨、とかみたいなもんじゃないですか、ハーモニーのしかも一瞬のハーモニーって。でもそれでガラっと変わる場合もあるんだけど・・・。あ、最近知ったんですけど、「EVIDENCE」って「JUST YOU, JUST ME」の進行なんですよね?

葭葉  あー、そうなんですか?

定岡  全然元の曲に聴こえないって思って。あのコード進行でモンクが作ったって最近畠山さんに聞きました。あの人よう知ってるから。

葭葉  畠山さんも持ってるものめっちゃ深そうで、あの人面白いですよね。

定岡  あの人は狂ってますから。

葭葉  穏かそうに見えるんだけど何か秘めてるものめちゃめちゃありそう。

定岡  葭葉さんのアンサンブルの作り方と一緒で、僕もそれぞれ四人の個性を活かす中でどうしたらいいかっていうのがあって。畠山さんに関しては特に注文しないんです。ただやってほしいパターンとかだけは指定するけど、演奏の中でこうしてほしいっていうのは何もなくて。ま、言ってもしゃあないから、頭狂ってるから(笑)「ちょっと何やってんすか、先輩!?」みたいなことやるし、それがまた格好良かったりするし。関谷さんは関谷さんでちょっとこちらの希望を出して何を弾いたらいいかって具体的なビジョンが作りやすい人やと思うし、自由にさせたら自由にさせたで良いんだけど、言ったほうがいいかなってときは言います。でも大体僕が注意するのは崩しすぎないでっていう。

葭葉  ハハハ。でも関谷さん崩しても格好良いけどねぇ、あの人の崩し方って。

定岡
  格好良いんだけど、そこまでしなくても伝わるし。そこまでしちゃうと引いちゃうかなっていうこっちのプロデューサー的な判断として。で、當村に関しては、まぁ、音を聴くな!っていう(笑)

葭葉  ハハハ。

定岡  當村は即興というか、反応する音楽・・・ジャズって反応する音楽じゃないですか、それをずっとやってたから反応しちゃうんです。僕は反応しなくていいっていうか、反応する前に音を出せ、と。人の話聞く前に喋ろって言ってて。だからこれも當村の音は半分まではいかないけど結構消してて。関谷さんも畠山さんも消してるんですけど、それは人の音聴いて反応してますーって音は全部消してて。それよりかは無垢な衝動というか何も考えてなくて弾いてる吹いてるって音を僕は使いたくて。反応してる音は若干遅いんですよ。それに音に体重が乗っていない。それがちょっとでも分かるとシラケちゃうから、僕自身が。

葭葉  将来そういう監督になってそうな、今オーラ感じました(笑)

定岡  このSOKKYOっていうのは一発録りしてて、ENSEMBLEっていうのはサンプリングみたいに皆の音を使って僕が組み立て直してる即興演奏なんです。ちょっとずつカラーが違うと思うんです、SOKKYOとENSEMBLEは。ENSEMBLEのほうは間がたっぷりあるし、逆に詰めてるとこは詰めてるしっていうので、ミックスしてる段階で意識したのは演劇とか、あと映画ですよね。小さい頃から映画はよく観てたから。きっとこういうデザインとかの感覚も、映画というか視覚的なそういうあれで、僕全然アート勉強したことないから・・・写真も勉強したことないし。

葭葉  感覚で。

定岡  そうそうそう。あとは好きな人とかいるじゃないですか、有名だけどアラーキーとか大好きだから。でも写真好きな人にアラーキー好きですって言ったら、何言ってんのー?みたいな。ミーハーみたいに思われるから言わないようにしてるんですけど。そういう好きなものがあれば研究するし集めるし。

葭葉  確かに。

定岡  だから編集は映画を作る気持ちでやりましたけどね。編集にこだわってる監督とかいるじゃないですか、北野武とか。

葭葉  はいはい。

定岡  演技をつけないらしいんですよ、あの人は。ただ歩いてっていうらしくて。それを編集でどこどこに行くように歩いてるように見せるってだけで、前後をちゃんと作れれば、ただタバコを吸ってるだけでも意味が出るから、それを意識しましたね。

葭葉  はー、深い!

定岡  深くはないよ(笑)それはいわゆるジャズ、テーマがあってアドリブするっていうのでは出来なくて。あ、そうそう、あと僕そっちがちょっと苦手になったのは、否が応でも進んでいくじゃないですか。ここもっと皆こうなったほうが良いのにって思ったところでも勝手に進んでいっちゃうから。で、どんどん次の景色というか新しくなっていくと、そこでもっとやっていたかったなっていう瞬間がいっぱいあるから。それが僕は悔しくて。だから自分がやるときはアドリブスペースを設けるんじゃなくて、各人が際立つようにあらかじめ構成してて。だからそれが嫌でしたね。ジャズっていうか曲が進んでいくっていうのが。ポップスや歌モノってそれをしっかり打ち合わせやリハの段階で出来たりするから、じっくり三分の曲を作るのとアドリブでやるのとでは全く違うじゃないですか、演奏の作り方も仕方も。僕はどちらかといえば作り込んだほうが好みかなっていうことでしょうね。

葭葉  作り込むの私も好きなんですけど、ジャズの魅力で感じてるのはその次の展開が、次に次に流れてる音楽だからじゃないですか。逆に次に次にって流れるその感じが好きで、共演者と一緒に作っていくって感じがすごい好きっていうのもあるんですけど。私何か抑制されたものがあるんですよ。縛られるの大嫌いなのと、ある程度のルールがあってそれを守らないといけないっていう状態がすごい苦手で。その守るべきものが少なければいいんですけど、もう十個守らないといけない項目があって全部守らないといけませんよっていう場合に於いて能力が発揮できない人なんですよ。もうフニャフニャってなちゃって。

定岡  あー。

葭葉  ジャズだとその都度新しい発見があって。

定岡  ルールも変わりますしね。

葭葉  そういう感じがすごいツボだったんですよ。




今回は注釈なし!


あと一回です。最後はあっさり終わりたいと思っています。


どうぞお楽しみに!
posted by さだおか at 16:29| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | セロニアスモンク大学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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