2017年07月07日

葭葉、定岡 対談その1

来週末に創徳庵である、セモ大レコ発対バン企画で葭葉愛子トリオと対バンします。その連動企画で葭葉さんと対談しました。全5,6回の予定です。現在鋭意編集中なんて水曜どうでしょうみたいなこと言ってますが、実際そうなんですからしょうがないじゃありませんか!?


今日から毎日公開していきます。


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葭葉  木畑さんが師匠で、あの人のライブを聴きに行ってたんですよ。で、ある日突然京都のグリニッジハウスのマスターから連絡があって、私はそんなしょっちゅうライブに出てたわけじゃないんですけど、二回くらい出演したことがあるんです。畠山ゆきさんのトラで。

定岡  へぇー。

葭葉  その時に一回だけマスターが演奏聴いてて、十年前くらいに良いアーティストがいたらその人を応援したいっていうプロジェクトがあったらしくて、でもそのプロジェクトもピンと来る人がいなくてずっと止まってたらしく、でも何か形にしたいっていう気持ちがマスターにあって、私がまた他の会場で演奏してるときに見に来はって。それでちょっと話があるから梅田のサンマルクまでちょっと来てくれないか?って連絡があって、はい!分かりましたー!って何も分からないまま取り合えず行ったんです。そしたら、君は何もCDって作ってないのか?って言われて、いやそんなぁ、もうちょっとやっぱり技術を磨かないとってずっと思ってて、今はちょっと早いかなって。オリジナル曲はたくさん書いてるんですけど、でもやっぱり形にするにはもう少しかかるかなぁって思ってるんですよって答えたら、そんなん今作れー!!!って(笑)

定岡  うんうん。

葭葉  そんなんタイミングやから、とりあえずそのプロジェクトで今作りたいっていうのがマスターの気持ちだったんですよ。それともう一つ、なんでマスターが私にピンと来たかって理由があって。私は京都外国語大学出身なんですよ。で、当時サックスの福代亮樹君ともう一人ヤマシタナオキ君っていうトランぺッター奏者が二人で京都外大にジャズサークルを立ち上げに来たんですよ。

定岡  へぇー。

葭葉  それが私が四回生のときで、その時初めてジャズ聴いて、うわっ!カッコイイみたいな(笑)で、ジャズサークルに一応属してたんですけど、プレーヤーではなかったんです、その時は。

定岡  はいはい。

葭葉  ジャズってカッコイイっていう認識はあったけれども、自分は弾けないから聴きに行こうかなっていうくらいだったんです。で、学生の時はお金がないから色々探して、そしたらグリニッジハウスっていうチップ制でやってるライブハウスがあるから行こう!ってなって行ってたんです。で何回も行ってるうちに常連客みたいな感じになってたんですけど。それで、ライブ聴きに行ったときにカウンターに座ってたらマスターが話しかけてくれて、君名前はなんて言うの?あ、葭葉って言いますって。

定岡  うん。

葭葉  葭葉っていう苗字自体聞きなれないらしくて、ちょっとここに書いてくれって紙を出してきて、そこに葭葉愛子ってサインしたんです。そしたらマスターは「難しい漢字なんだね」ってその会話はとりあえずそれで終わったんですけど、それが八年前の出来事で。で、マスターがそろそろCDとか作れたらなって思ってるときに、なんかファイルが出てきたらしくて、そのファイルはそのアーティストを応援してるときの色んな資料を挟んでたファイルだったらしくって。で、そこの一番最後のページに、なぜかあの時私がサインした紙が入ってたんですよ。それでマスターがあぁー!って思い出して、もう君やー!ってなったらしいです。なんかそういう不思議な縁があるんですけど。

定岡  へぇー!

葭葉  で、ジャズのライブハウスとしてはスタンダードをメインにしてるお店だったんで、レコーディングでもスタンダードを録ったりしたんですよ。でも、まだちょっとタイミングが早い!っていう気持ちがすごくあって。で、私自身がオリジナル曲が多いっていうのもあったんで、スタンダード一曲だけ残した状態で、あとはオリジナルで固めたっていう状態で、形にしましたー!って店には報告はしに行ったんですけど。

定岡  へぇー。

葭葉  CD作るってなった時に、たまたま私がオリジナルにすごい力入れてる時期で、テナーサックスの今井晴萌ちゃんとずっとオリジナルバンドっていうのをやってて、ライブするたびに何か新しい発見を私もミュージシャン側も欲しいし、お客さんも欲しいだろうと思って毎回曲を書いてたんです。一曲でも二曲でもって。それこそライブ開始前にちょっと思いついた曲とかもリハーサルでちょっとやってみたりとかして、アレンジとかも考えたりとか色々やってたんです。それでちょうどレコーディングの話いただいて、その晴萌ちゃんとのカルテットもずっとオリジナルでやってるっていうのもあるんですけど、そこで実験もしながら、自分のピアノトリオでも実験しながらみたいな感じでやっていって、それからこのピアノトリオのCDを作ろうってなったんですけど、周りに誰もちゃんと自分で作った人がいなかったんですよ。誰かにこういう曲を歌ってくれって頼まれて歌いましたっていうふうにCDを作ったっていうか参加したっていう人はいたんですけど、自主的に全部自分でやったっていう人がいなくて。色々情報収集したいのに出来なくて、大体の人がCD作るのにミュージシャン主導じゃなくて、別にプロデューサーみたいな人がいて、CDを作るのに引っ張っていく人が必ずいるっていう状態だったんですけど、私の今回の場合は誰も引っ張る人がいなくて。だからまず手始めに、なんとか予算で作れるようにっていうので、晴萌ちゃんとのバンドのを手探りで先に作ったんです(※1)。

定岡  ほう。

葭葉  それで色んな人の繋がりでがあって、五島さんに巡り合ったんですけど。

定岡  あー、タイムマシーンレコードのね(※2)。

葭葉  そうそう。で、五島さんに録音をお願いして、録音会場は伊丹ALWAYSで。元々がオリジナル曲だけのバンドで、曲は二十曲くらいあって。CDに別に全部入れなくてもいいし、トリオの方にに残しといてもいいしくらいに考えてたんで、カルテットの方は初期の曲を中心に録音していったんです。

定岡  なるほど。

葭葉  で、五島さんと関わることで、CDを作るにはまず何からどうしたらいいのかって説明を受けて、それでようやくなるほどって(笑)。CD作るのにそんな時間がかかるんやってその時初めて知ったりして。その時が晴萌ちゃんも初めてのレコーディングだったんで、二人共勉強になったって感じだったんです。

定岡  うん。

葭葉  その時は五島さんがレコーディングもミックスもマスタリングも全部やってくれたのでそれが普通やと思ってて、いざ自分のトリオで録るぜ!ってなったときに、まさかミックスもマスタリングも別々で、しかもそれぞれ一日ずつ立ち合いでって、そういうイメージが全くなかったんで、えー!?って(笑)

定岡  ふふふ。

葭葉  ちなみにエンジニアさんが東京の方でして・・・。

定岡  (ブックレットの写真を見て)場所はDEDEですよね?(写真を指差して)これ松下でしょ?(※3)

葭葉  そうですそうです。

定岡  甲陽の同級生です。

葭葉  へぇ〜。偶然DEDEさんに行き着いて。

定岡  へー。でもここも高いでしょ?僕も松下にどうのこうのしたいからって値段聞いたら、「お・・・おぉ!?」っていう値段でしたね。まぁ相場をよく知らないんですけど。

葭葉  実際結構なお値段で、噂に聞いてた金額でございました(笑)

定岡  ちゃんと正攻法で音を作るってなるとある程度はするんでしょうけどね。でもどうにか正攻法を切り抜けていくって方法で色々と製作費を抑えられるわけで。僕ならビッグアップルで録ってるとか、五島さんに頼むっていうのも正攻法を切り抜けるっていう一つの方法でもあって。ミックスも込み込みだし、録音が一発録りだから、ちゃんとした音環境、楽器や会場の響きとかそれがちゃんとしてれば、おそらくスタジオでブースに分かれてやるよりも生々しいライブ感で録れるっていうことはあるでしょうね。

葭葉  結局トリオのはブース分かれてやってるんですけど、内容がインプロっていうかジャズやし流れていってるから中身の修正が出来ないって言われて、出来てテーマのミスタッチのとこを直すくらいだったんですけど。そういうのも何も知らなかったから、ずいぶん勉強になったなぁって思います。

定岡  なるほどね。

葭葉  それで今回は変な言い方なんですけど、正規ルート通って作ったんで、次また自分で作るってなったときにどこをどう工夫できるかっていうのを考えるのにいいきっかけになったなと思いましたね。音にしてもデザインにしても。例えば自分の部屋で録ったとしても、そうは聴こえない雰囲気のCDも中にはあるじゃないですか。

定岡  うん。

葭葉  ほんとにあの、録り方次第っていうのは思いましたね。録音するとこの響き方とか鳴り方とかでもあるんでしょうけど。

定岡  あと音の加工。ミックスダウンも。

葭葉  とにかく無知すぎたんですけど、色んな人に支えられてっていう作品になりました。

定岡  ははは。

葭葉  でも、なにも知らない私が引っ張らないといけないっていうのはすごいプレッシャーでしたね。その時頻繁に連絡取り合ってたミュージシャンが松本有加ちゃんと浦嶋左織さんで、松本有加ちゃんが先にCD出してたから色々と話を聞いたんですけど・・・(笑)

定岡  ふふ。僕はあの人が酔ってるときにしか会ったことないけど(笑)(※4)

葭葉  それであのー、CDの作るのに何からどうしたらいいの?って聞いてもやっぱり色々なことが分からなくて。「ジャスラックってどうするんですか?」っていうことから聞いたんですけど、「そこはスルーしました」って返事が来て(笑)

定岡  でもあのアルバムはオリジナルでしょ?(※5)

葭葉  そうそう。

定岡  だからスルーでも大丈夫だけどっていう。






※1  「Aiko Yoshiba HARUMO IMAI original ProJECT BAND」 2016年発売の葭葉愛子プロデュースCD処女作。テナーサックス今井氏と共に活動してきた企画バンドでオリジナル曲中心。企画バンドといってもベースとドラムは半固定メンバーでライブ活動をしているが、CDに参加のメンバーでの組み合わせのライブがまだ実現していないというある意味レアなレコーディングとなった。紙ジャケットの質感にもこだわった手作り感満載の作品。 8曲入り1,500円。



※2  金田式DC録音方式で素晴らしい音を提供し続けているレコード会社。




※3  同級生というだけで呼び捨てにしているが、今や凄腕のエンジニアなのだろう。学生時代から録音機器や音源に金を注ぎこんでいて、きっとそれは今も変わらないのだろう。それにしてもあの時の松下の部屋は汚かった。物が多くて多くて。




※4  我が町春日野道の春日野道商店街のイベントに参加してくれたんだけど、イベント後に飲みに入った店でノリノリの連中とノリノリに飲んでいた。挨拶して一言二言交わしたのだろうか。ノリノリが非常にうるさく、且つ有加ちゃんの声が小さく全然何言ってるか分からなかったが、間だけは外してはならないと適当に返事だけした記憶がある。我ながら恥の多いコミュニケーション力である。



※5  「ひとりごと」 2015年8月2日発売。Amazonで購入可能。癒し系というより、癒しそのもののような歌声。井川遥なんて比べるまでもないことは言うまでもない。


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ライブ会場でお待ちしております!
posted by さだおか at 16:55| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | セロニアスモンク大学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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